No.274

追悼・鈴木光司氏。『仄暗い水の底から』を #読了
東京湾をめぐる、水辺のじっとりと怖い短篇集。表題を冠して映画化もされた「浮遊する水」は、本当に怪異が起こっているのか語り手の心の闇が投影されているだけなのかわからなくなっていく。全篇を通じて、はっきりと怪異や人外の存在、呪いのようなものは描かれておらず、人が自分自身にかける呪いばかりが暗く底の見えない水のように広がっている。怖い。

日記