王谷晶『ババヤガの夜』 #読了 。 短い話で、映画やアニメみたいな視覚寄りの文体。尚子の境遇やヤクザのキャラ付けなど、漫画的で既視感のある道具立ては依子や尚子の入り込めない書割の世界を表していて、それが何もかも崩壊したあとの、終末後みたいな世界を歩いていくラストがいい。自由を感じた。 必要性の薄そうな叙述トリックを仕込んだのは、読者のなかにある既成概念に挑戦したかったからではないかと思った。のだが、なぜか私は初めから正と芳子の正体がわかった上、「尚子」の読みはナオコなのかショーコなのかと落ち着かない気持ちで読んでいたので、名前のトリックがことごとく機能しなかったことになる。驚いたのは内樹の家にいたころが70年代だったということか。 2026.8.14(Fri) 17:47:57 日記
短い話で、映画やアニメみたいな視覚寄りの文体。尚子の境遇やヤクザのキャラ付けなど、漫画的で既視感のある道具立ては依子や尚子の入り込めない書割の世界を表していて、それが何もかも崩壊したあとの、終末後みたいな世界を歩いていくラストがいい。自由を感じた。
必要性の薄そうな叙述トリックを仕込んだのは、読者のなかにある既成概念に挑戦したかったからではないかと思った。のだが、なぜか私は初めから正と芳子の正体がわかった上、「尚子」の読みはナオコなのかショーコなのかと落ち着かない気持ちで読んでいたので、名前のトリックがことごとく機能しなかったことになる。驚いたのは内樹の家にいたころが70年代だったということか。