No.225

小川洋子「妊娠カレンダー」を #読了
収録作品は芥川賞を受賞した表題作「妊娠カレンダー」のほか、「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」。
小川洋子はだいぶ昔に「博士の愛した数式」を読んだくらいで、純文学作家として意識したことがあまりなく、最近になって、きっかけは忘れたが改めて興味を持った。(あと、新聞の一面を使って連載されていた「ミーナの行進」という作品が記憶にあったのだがあれも小川洋子作品だったらしい)
図書館で「海」を借りて、表題作だけ読んで時間切れになって返したのだったかな。静謐で透明な香気漂う文体、どこか村上春樹にも通じる、オブジェクトを丁寧に配置していくことで語られないものを語る手つき。一人称小説なのだが、視点人物は周囲の激情や孤独を透徹した視線で見つめるばかりで、ある意味で神の目による三人称小説のような雰囲気も帯びる。寝る前に飲む薬のような感じ、書架に欲しくなってしまった。次は芥川賞に連続ノミネートされた初期の作品集を借りてきて読もうかなと思う。

呟き