終戦 #詩 あれは三万五千年前に 噴き出した火焔の白い熾 大地のきずはいつしか治り あれは四千年前に 運行していた星の軌道 指さされたその彼方で あれはいつだったでしょうか 鉄の翼がのこした痕 巨大な悪意の膨張 立ち止まって 口あけて 指先離れた風船を 匿っている白い城砦 いつまでも、いつまでも scratch, scratch, scratch いたずら者の小鳥が石壁にとまり 短い尾羽をふるわせている 平気です 平気でないでしょうに scratch, scratch 白銀の画鋲が頭ひからせて 画用紙をひろびろと支えている 待つならば忍耐強く 絵筆をめいめい携えて 群れなし降りてくる亡霊は あんまりゆっくりなものですから 刻みつけられては揺れる薄皮 フリップブックでさあ御覧じろ あれはご存じ これはいかが 知っていますもちろん いつのことだったでしょうか scratch, scratch 時の点描 潤んだ目玉のつけた引っ掻き傷 きっと私もそのひとつです scratch, scratch 空の城砦から 小鳥が今にも落ちてゆきます 2023.9.2(Sat) 10:00:00 断片
あれは三万五千年前に
噴き出した火焔の白い熾
大地のきずはいつしか治り
あれは四千年前に
運行していた星の軌道
指さされたその彼方で
あれはいつだったでしょうか
鉄の翼がのこした痕
巨大な悪意の膨張
立ち止まって
口あけて
指先離れた風船を
匿っている白い城砦
いつまでも、いつまでも
scratch, scratch, scratch
いたずら者の小鳥が石壁にとまり
短い尾羽をふるわせている
平気です
平気でないでしょうに
scratch, scratch
白銀の画鋲が頭ひからせて
画用紙をひろびろと支えている
待つならば忍耐強く
絵筆をめいめい携えて
群れなし降りてくる亡霊は
あんまりゆっくりなものですから
刻みつけられては揺れる薄皮
フリップブックでさあ御覧じろ
あれはご存じ
これはいかが
知っていますもちろん
いつのことだったでしょうか
scratch, scratch 時の点描
潤んだ目玉のつけた引っ掻き傷
きっと私もそのひとつです
scratch, scratch
空の城砦から
小鳥が今にも落ちてゆきます